現在3つのトピックについての研究を実施しています。
第1は、「羽ばたき飛行ロボット」の研究です。羽ばたき飛行ロボットの自律飛行制御の実現を目ざしています。鳥の羽ばたき周波数は、ヘリコプターの回転するローター翼や飛行機のプロペラなどの回転数に比べて非常に遅いため人間が鳥の羽ばたき動作に対して「恐怖」を感じることが少ないのです。その為、羽ばたき飛行ロボットは人間のすぐ近くで活動することが可能になります。羽ばたき飛行ロボットの自律飛行制御システムの開発により地上の渋滞などの影響を受けない、飛行による新たな未来運搬システムを構築できる可能性を秘めています。
第2は、「生体情報の解析とその工学的応用」の研究は、脳波、脳内血流量、脈波を対象としそれらの情報を用いてさまざまな機器を操作する研究です。現在は、脈波に注目しています。脈波計測装置の取り付けは脳波計とは違い、非常に簡単です。また、電気ノイズにも強いために実用化に向いていると考えています。また、脈波を用いたロボット操作の研究も行っています。
第3は、「知的制御」についての研究では、ファジィモデルに基づく制御と呼ばれる制御手法に注目しています。この制御手法は、非線形特性を持つ制御対象をIf-Then形式のファジイモデルで表し、このモデルに基づいてファジイ制御器を設計し、制御を実現する非線形制御手法の1つです。非線形な制御対象を厳密にファジイモデルに置き換えることにより、その安定性を保証し、同時に速応性やアクチュエーター出力の飽和防止など様々な制御性能を付加できる簡単かつ、効果的な非線形手法です。現在は、多項式ファジィモデルを用いた制御系設計に関する研究や、非線形サーボ系・非線形追従制御系などの問題に取り組んでいます。